冷房の教室で始業式、体育大会は延期、オンライン部活…夏休み明けも続く猛暑に学校厳戒

猛暑の中、自宅でサッカー部の“オンライン練習”に励む足羽第一中学校の生徒(左)=8月9日、福井県福井市内

 記録的な猛暑に見舞われた今年の夏休み。福井県内の学校では熱中症予防のため、部活動やプール開放の中止が相次いだ。公立小中学校は28日から9月1日にかけて、夏休み明けの授業が順次再開される。最高気温30度を超える暑さは当面続く予報。屋外活動を極力控えるなど対策を徹底する構えだ。

 8月9日に県内観測史上最高の気温39.7度を記録した坂井市三国町の三国南小学校は、始業式会場を体育館から冷房設備のある教室に変更する。熱中症リスクの目安となる「暑さ指数(WBGT)」の測定計を増やし、基準を超えた場合は体育の授業を原則屋内に移行する。

 福井市清明小学校は、猛暑で屋外での運動機会が減ったことを踏まえ、体を慣らす準備期間を十分に確保しようと9月下旬の体育大会を1週間延期すると決めた。

 県内では7月27日に夏休み中としては初めて熱中症警戒アラートが発表され、8月14日まで19日間続いた。中学校の部活動も活動制限を余儀なくされた。福井市足羽第一中学校は7月27日からお盆明けまで、全国大会などに出場する場合を除き、運動・文化部を問わず活動を中止した。活動の継続性を少しでも確保するため各顧問が工夫を凝らし、サッカー部ではタブレット端末を使って自宅でトレーニングする“オンライン練習”を取り入れた。主将(2年)は「新人戦前の大事な時期だけど、暑過ぎるので仕方ない。オンラインでできるだけでも感謝」と話した。

 足羽一中では、お盆明けから原則午前中だけと決めて部活動を再開し、体育・学校祭に向けた準備も始めた。岸上尚毅校長は「徐々に“慣らし運転”をしないと、学校再開後の生活の変化に心身が追い付かなくなる。安全面に最大限配慮して猛暑を乗り越えたい」と気を引き締めた。

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 夏休み期間中、各市町は小学校のプール開放を見合わせた。永平寺町は新型コロナウイルス禍の落ち着きを踏まえ4年ぶりに開放を決めたものの、8月22日までの期間中に実施できたのは5日間だけ。福井市は7月21、22日の2日間のみだった。

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