YouTubeとユニバーサル・ミュージック、アーティストと共にAI活用を模索へ

YouTubeとユニバーサル・ミュージックが、音楽業界でのAI(人工知能)活用の可能性を探るためタッグを組んだ。ABBAのビョルン・ウルヴァースや故ジョニー・キャッシュの娘ロザンヌらアーティストも協力する。

ビョルンはこう声明を発表している。「私の決断は物議を醸すものになるかもしれませんが、AIモデルがどう作業するのか、創造過程の中で何ができるのかについて純粋に興味があることから、オープンマインドでこのグループに参加しました」

「自分の理解が深まるにつれて、それを擁護できるようにもなりますし、仲間の人間のクリエイターたちの権利を守ることにもつながります」

今回のプロジェクトには他にも、ワンリパブリックのライアン・テダー、作曲家マックス・リヒター、ブラジル人歌手アニッタ、フランク・シナトラの遺産管理団体らも参加している。

マックスは「全ての新しいテクノロジーと同様、AIは機会を作ってくれますが、クリエイティブなコミュニティにおける深刻な課題が生まれるのも事実です。だから私は『アーティスト培養器』に参加することを非常に喜んでいます。音楽と音楽配信におけるAIの応用に関して、クリエイティブ・コミュニティの利益を私が擁護できる立場になるのですから」と話している。

YouTubeは同プロジェクトの3つの狙いについてこう発表している。「AIは存在する。私たちは音楽パートナーと共に、責任を持ってそれを受け入れます」「AIはクリエイティブな表現の新時代に導いてくれていますが、適切な保護が必須で、今回参加を決めた音楽パートナーたちのために、機会を解放しなければなりません」「私達は信頼と安全で業界をリードする団体やコンテンツポリシーを築いてきており、それを基準にAIに関する課題に対応して行きます」

ユニバーサル・ミュージックの会長兼CEOのルシアン・グレンジは、AIは「全く新しいやり方で音楽におけるクリエイティビティを豊かにする」ことを確信しつつ、そこには「適切なバランス」が必要と強調した。一方、YouTubeのニール・モーハンCEOは、こう続けた。「私たちのフレームワークの原則はこうです。AIを受け入れる。機会を解放すると同時に保護を与える。そして私たちの信用と安全に関する仕事に投資する。これによりYouTubeと音楽業界がこれからの世界をより良い方法で進むための力強い基盤が出来上がるのです」

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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