「大規模な災害の時にこそ連携を」 行政やライフライン担う企業と合同で防災訓練

これからの季節、台風や大雨といった災害に備えなければなりません。こうした中、行政やライフラインに関係する企業が一堂に集まった防災訓練が30日、広島市で行われました。

総合防災訓練は、国の「防災週間」にあわせ毎年、行われています。広島市消防局・県警・陸上自衛隊など16の関係機関からおよそ150人が参加しました。

RCCウェザーセンター 末川徹 気象予報士
「大量の土砂が流れ込んで、家が傾いてしまったり、車が埋もれてしまったりしています。現場には緊張感が漂っています」

訓練は、降り続く大雨により線状降水帯が発生し、県内各地で土砂災害が起きたとの想定です。隊員たちは、土砂をスコップで取り除く手順など確認していました。

その後、不安定な土砂の上を機動的に走ることのできるバギーも駆けつけ、けがをした人たちをすばやく運んでいきました。

安佐南区にある大塚小学校の児童たちが見学していたのは、アンテナがついた車両です。停電など、通信サービスが利用できなくなった現場にいち早く向かい、携帯電話やメールなどの通信手段を確保します。このあと、災害対策本部や避難所などをインターネット回線でつなぐ訓練も行われました。

広島県内では、ここ数年だけでも豪雨災害が激甚化しています。こうした中、より緊密に被害情報を共有しあうことが重要だといいます。

広島市佐伯消防署 中川智晴 警防司令官
「大規模な災害のときにこそ関係機関が連携しないといけない。災害地点が各所にあるので、協力し合いながらやっていくことが大切」

広島市は今回、得られた課題を検証し、今後の訓練に生かしたいとしています。

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