「救命の連鎖」倒れた男性を児童発見→会社員夫妻、別の児童母ら心臓マッサージ

心肺停止状態で倒れていた男性の救命に貢献したとして感謝状を贈られた白石さん夫妻(後列中央)、鍵山さん(前列左端)と林さん親子=京田辺市田辺・市消防本部

 心肺停止の状態で倒れていた男性の救助に連携して当たり、救命に大きく貢献したとして、京都府京田辺市消防本部は市民8人に感謝状を贈った。「9分もの間、心肺蘇生を継続したことが救命に大きく寄与した」として、市民らの「救命の連鎖」をたたえた。

 今年2月23日午後5時ごろ、同市三山木中央の駐車場で50代男性が倒れているのを、近くの公園で遊んでいた三山木小学校6年鍵山弘登さん(11)が見つけた。会社員の白石大和さん(30)、絢圭さん(28)夫妻は、鍵山さんがたたずんでいるのを不思議に思って男性に気づき、大和さんは心臓マッサージに着手、絢圭さんは消防に通報した。

 大和さんはいったん、AED(自動体外式除細動器)を探しに現場を離れたが、通りかかった医療関係者の男女2人が心肺蘇生を継続。公園にいた同小学校4年林新太さん(9)、2年大智さん(7)の兄弟から呼び出された看護師で母親の智子さん(45)も駆け付けて心臓マッサージを手伝い、通報から約9分後に到着した消防署員に引き継いだ。

 同消防本部によると、男性は病院で心拍が再開し、通院してリハビリに取り組むまで回復した。林朋也消防長から感謝状を受け取った大和さんは「過去に受けた研修を思い出し、やるしかないと心臓マッサージをした。社会復帰できる見込みと聞き、本当に良かった」と話した。

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