「逃げ遅れた人の選択肢のひとつに」産学連携で模型の“シェルター”使った津波実験=静岡・清水区

いざ、津波に襲われたときに駆け込むと、水に浮いて命を守ってくれるシェルター。沿岸部への設置を目指す研究者と住宅メーカーがシェルターの模型を使い、津波の実験を行いました。

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8月31日、静岡市清水区にある東海大学海洋学部で、シェルターの模型を使った実験が行われました。

津波が発生した場合、シェルターの模型にはどのくらいの力が加わり、どのように揺れるのか。模型の中と外にカメラとセンサーを取り付け、波の強さを変えながら、撮影と計測を繰り返しました。

<小野田産業 小野田良作会長>
「本当の津波をなかなか経験できませんので、静岡理工科大学などさまざまな方たちの協力に基づいて、エビデンスを取りたい」

この実験に使用しているのは、静岡市清水区の住宅メーカーの小野田産業が開発したシェルターです。大人8人が乗り込める広さで、素材はなんと、発泡スチロール。表面に「ポリウレア」という特殊な樹脂を吹きつけていて、防水性や強度を高めます。

実験では、このシェルターの5分の1の大きさの模型が使われました。実験を主導した静岡理工科大学の中澤博志さんは、津波から逃げる選択肢を増やすために、シェルターを市民の目に触れる場に置いて、その存在を市民に知ってほしいといいます。

<静岡理工科大学 中澤博志教授>
「実際に逃げ遅れた人がどうなるか。例えば津波避難タワーとか、たどり着けない場合、本当にどうするんだというのがありますので、別の手段も選択肢のひとつとしてあるといいのではないかいう発想で研究を進めています」

中澤さんらは2024年3月までに実験結果を取りまとめ、データを公開します。

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