ジルー3戦連発にレオン今季初弾のミランが開幕3連勝! モウ復帰にルカクデビューのローマは開幕3戦未勝利…【セリエA】

[写真:Getty Images]

セリエA第3節、ローマvsミランが1日にスタディオ・オリンピコで行われ、アウェイのミランが1-2で勝利した。

モウリーニョ監督が2試合のベンチ入り禁止処分を科された中、サレルニターナ、エラス・ヴェローナの格下2チーム相手に1分け1敗の厳しいスタートを強いられたローマ。その指揮官が今季初めてベンチに戻り、今シーズン初勝利を目指したフライデーナイト開催のビッグマッチでは昨季対戦をいずれも2-2のドローに終えたロッソネリを迎え撃った。

ポルトガル人指揮官は前節から先発3人を変更。負傷でベンチ外のディバラの代役にエル・シャーラウィ、ペッレグリーニとクリステンセンに代えてアワールとチェリクを起用。また、試合前にロマニスタへのお披露目を行ったルカクはベンチに入った。

一方、フロント刷新と共に大幅な補強方針の変更に踏み切った新生ミランは、今季も健在のジルーと注目の新戦力の一人であるプリシッチの2試合連続ゴールによってボローニャ、トリノ相手に連勝スタートを飾った。インターナショナルマッチウィーク明けの次節に宿敵インテルとのデルビーを控える中、難所オリンピコでジャッロロッシ相手に3連勝を狙った。ピオリ監督は開幕2試合と全く同じメンバーを採用し、[4-3-3]の前線にはプリシッチとジルー、レオンが並んだ。

流動的なポジショニングを活かしたビルドアップで、スムーズにボールを循環させるアウェイのミランが立ち上がりから主導権を握る。すると、好調のロッソネッリはファーストチャンスを早くもゴールに結びつける。

ボックス手前右でボールを持ったロフタス=チークが味方とのパス交換でボックス内に侵入すると、ゴール前でGKパトリシオと交錯。一度プレーは流されたものの、オンフィールド・レビューの結果、PKが与えられる。これをキッカーのジルーが見事にゴール左隅へ決め切り、3試合連続となる9分の先制点とした。

早い時間帯にスコアが動いたが、失点したローマは大きく戦い方を変えず。失点前と同様の試合展開が続いていく。徐々にホームチームが相手陣内でのプレータイムを増やしていくが、なかなか決定機まで持ち込めず。これに対してミランは足元での繋ぎに加え、両サイドの背後を意識した攻撃で際どい場面を創出。21分にはテオ・エルナンデスの左クロスに大外で反応したプリシッチがワンタッチで合わすが、ここはGKパトリシオのファインセーブに阻まれた。

何とか2失点目を凌いだローマだが、直後にアクシデント発生。足を痛めたアワールがプレー続行不可能となり、軽傷を抱えるペッレグリーニのスクランブル投入を余儀なくされる。

前半半ばから終盤にかけては互いにプレーテンポを上げることなく、中盤を中心に睨み合いの状況が続く。両チームともに中盤での繋ぎのミスや切り替わりのタイミングで攻撃のスイッチを入れていくが、攻め切れないホームチームに対してアウェイチームはレオンやテオの推進力を使ってより可能性のある仕掛けを見せた。だが、最後のところで粘る黄色と赤の壁を前に追加点を奪うまでには至らなかった。

ミランの1点リードで折り返した後半は前半同様に早い時間帯にスコアが動く。48分、相手陣内中央で得たFKの流れから右サイドでラインデルスのパスを受けたカラブリアが滞空時間の長いクロスを供給。ファーで反応したレオンがDFチェリクをブロックしつつ、体勢を崩しながら見事な右足のダイレクトボレーシュートを右隅へ流し込んだ。

後半立ち上がりの2失点目で厳しくなったローマは以降もなかなか効果的な攻めを見せられない。だが、61分には前半から激しいマッチアップを繰り返していたベロッティがトモリの2枚目のイエローカードを誘発し、数的優位を手にした。

これでリスクを冒して前に出るローマ、2点差を守り切るミランという構図が明確となり、両ベンチの動きが活発化。ローマは70分過ぎに3枚替えを敢行し、注目のルカクをデビューさせる。一方のミランは得点に絡んだロフタス=チークとジルーを下げてカルルとポベガ、さらにプリシッチとレオンの両翼を下げてオカフォー、チュクウェゼとフレッシュなアタッカー陣をピッチに送り出した。

数的優位を手にしてようやく押し込む展開を作り出したローマは、屈強なルカクが前線でボールを収めることで、攻撃に厚みが生まれる。そこからクロスやミドルレンジのシュートで幾つかのチャンスシーンを作り出していく。

ただ、ミランの要所を締める守備が一枚上手の場面が目立つまま試合は最終盤に突入。何とかホームで意地を見せたいローマは92分に左サイドから果敢に仕掛けたスピナッツォーラのカットインからのミドルシュートが相手DFにディフレクトしてゴール左隅に決まり、ようやく1点を返す。

残り時間を考えれば、昨季同様に3試合連続2-2での決着も想定されたが、ザレフスキらの同点機はミランの身体を張った守備に阻まれ、試合はこのままタイムアップ。敵地で数的不利を背負いながらも逃げ切ったミランが開幕3連勝を達成。一方、敗れたローマは今季初の連敗で3戦未勝利も、早速存在感を示したルカクの加入で中断明けからの巻き返しに繋がる試合となった。

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