大分市が「パートナーシップ宣誓制度」運用開始 一部行政サービス利用可能に【大分県】

「パートナーシップ宣誓書受領証」の見本を持つ大分市職員=大分市男女共同参画センター

 【大分】大分市は1日、性的少数者のカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」の運用を始めた。法的効力はないものの、「宣誓書受領証」を交付し、一部の行政サービスの利用を認める。市は「多様性を認め合い、共に生きる喜びを実感できる社会の実現を目指す」として、活用を呼びかけている。

 同様の制度の導入は、県内では臼杵市、竹田市などに続いて6例目。大分市によると、この日は申し込みはなかった。

 宣誓は、市内府内町のコンパルホール2階の市男女共同参画センター(たぴねす)で実施する。原則的に希望日の2日前までにセンターへ電話で予約。職員の立ち合いの下、宣誓書に署名する。個室の使用など宣誓場所の相談に応じる。

 宣誓書受領証(縦5.4センチ、横8.5センチ)は名刺に近いサイズのプラスチック製で、ラミネート加工を施す。カップルの名前を印字。「お二人がいきいきと輝き、活躍されることを期待しています」とのメッセージも記載している。宣誓の後日、センターでの受け取りか、郵送で交付する。

 今後、転出先で受領証を継続利用できるようにするなど、他自治体との連携も検討している。センターは「生きづらさや不安を感じる人が少しでも減ってくれればうれしい。制度の周知と合わせ、性的少数者に関する啓発も続けていく」。

 宣誓時には住民票や本人確認書類などが必要。問い合わせは市男女共同参画センター(097.574.5577)。

■10月4日に導入記念シンポジウム

 市は10月4日、コンパルホールで、パートナーシップ宣誓制度導入を記念したシンポジウムを開く。今月30日まで参加申し込みを募っている。無料。

 第1部は、福岡市職員で、性的少数者らを支援するNPO法人役員の藤田哲章さんが基調講演。自身の経験を踏まえ、性の多様性について語る。

 第2部は、県内団体「SOGIE(ソジー)(LGBT)サポートチームココカラ!」の共同代表3人をパネリストに招いたトークセッションがある。

 午後1時15分~同4時半。定員は先着250人。来場者を対象に、生後6カ月以上で未就学の子どもを預かる託児サービス(先着10人)もある。

 いずれも申し込みは電話などで市男女共同参画センターへ。

<メモ>

 大分市のパートナーシップ宣誓制度の対象は、▽双方が成年▽一方か双方が市内在住、または宣誓日から14日以内に市への転入を予定▽双方に配偶者(事実上婚姻関係にある人を含む)がいない▽双方は近親者ではない―などの要件を全て満たすカップル。制度の利用で、新たに「市営住宅の入居申し込み」や「パートナーによる保育施設の入所申し込み」などができるようになる。

© 有限会社大分合同新聞社