「Perfume推し」タワレコ店長、売り場が熱烈ファン目線 ポスターはりまくり、ポップも熱い

2008年にPerfumeに「落ちて」以来、情熱を込めて売り場を作り続けている富田純司さん=明石市東仲ノ町、タワーレコード明石店

 「タワーレコード神戸店がPerfume(パフューム)推しやねん」。熱烈パフュームファンの先輩記者によると、JR三ノ宮駅南、ミント神戸内にある同店では、パフューム関連商品の売り場の作り方やポップ(宣伝文)の文言が明らかにファン目線なのだという。現在、改装中の同店。調べると、最近はタワーレコード明石店(明石市東仲ノ町)」の熱さが際立っているとか。真相を探るべく出かけた。

 天井からつるされた7枚のポスター。うち1枚は9月9日に兵庫県立美術館(神戸市中央区)で開幕する「パフューム・コスチューム・ミュージアム」の宣伝用だ。CDラックには「最高を求め続けるチームPerfumeを、粒(=パフュームのファン)の皆様と一緒にずっと応援させてください!」。いきなり熱すぎる。

 パフュームTシャツを着て富田純司店長が現れた。「一介の店長が(パフュームを)語っていいんですかねえ…」と恐縮しつつ、打ち明けてくれた。「もともと私、神戸店にいたんです」

 洋楽のバイヤーだった富田さんがパフュームを知ったのは2007年。シングル発売イベントで3人がタワーレコードに来店した際、詰めかけたファンの熱量に驚いた。富田さん自身も翌年の「GAME」ツアー初日にたまたま訪れ、衝撃を受けた。「めちゃくちゃかわいいし、トークはうまいし、めちゃくちゃ踊っている。お客さんも盛り上がっていて、なんだこれ!? って」。その日のうちにファンクラブに入った。

 15年頃、神戸店に赴任し、売り場づくりにこだわった。最新作の世界観を再現しようと心がけ、その気持ちが社内に広まり、パフューム専用の陳列棚を準備するほどに。交流サイト(SNS)で見たファンの中には、わざわざ遠方から来店する人も現れた。

 また別の店ではポスター数十枚を入り口に張ったことが所属レコード会社の耳に入り、別のCD発売時には巨大なアーティスト写真を作らせてもらい、店内を飾ったこともあった。「僕がファンなので、その目線で伝えたい。パフュームを愛している人も、そうじゃない人にも。パフュームを応援している人も応援したい、そんな気持ちでやっています」

 21年からは明石店で働く。衣装展の一報を聞き、県立美術館に連絡してポスターやチラシを取り寄せた。ライブのオープニングなど「その一瞬」のためだけに作られた衣装にとりわけ心が動かされるといい、間近で見られるのを心待ちにしている。

 「兵庫でパフュームが何かやるぞ、となれば積極的に発信したい。そして粒さんと話がしたいです」と富田さん。口調は穏やかだが、言葉の一つ一つに力がこもる。その熱い思い、しかと受け止めました!(中川 恵)

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