業者の社長「食材や光熱費が高騰も 値上げが難しく」 広島県内の高校で寮生向けの食事提供が突然ストップ 全国150施設の半数でも影響か

広島県内の高校で今月1日から契約業者による寮生向けの食事の提供が、ストップしていることが分かりました。学校は、急きょ、食事を用意するなど対応に追われています。

広島県立三次高校です。こちらでは契約業者と連絡がつかなくなったことから、今月1日から業者による寮生向けの食事の提供がストップしました。

三次高校の寮で生活している生徒は60人います。このため、学校では急きょ、三次市内の別の業者に協力を依頼し、昼と夜の分の弁当を提供してもらっています。

5日午前、教頭と事務の職員がこの弁当を取りに行きました。

県立三次中学校・高校 谷藤孝宏 教頭
「生徒に不利益がないように、困らないようにしてやらないといけないので。緊急対応。いろいろ協力をいただきながら、何とかしていくと」

これまでは連絡がつかなくなった業者が、寮生向けの3食分の食事を提供していました。それがストップしたため、昼と夜は急きょ手配した弁当で、朝は学校の職員が購入したパンや野菜ジュースなどで対応しているといいます。

県教委によりますと、寮生向けの提供がストップした学校は、三次高校以外に5つの高校があるということです。また、広島市教委によりますと、1校がストップしているということです。それぞれの学校が食事の手配に当たっているとしています。

寄宿舎の生徒
「急だったので、びっくりしたが、買い物に行かなくてはいけないし、費用もかかってしまうので、弁当があった方が時間もお金も楽なので」

県教委によりますと、連絡がつかなくなっている業者は、ホーユーです。ホームページによりますと、広島市中区が本社で1994年に設立され、従業員数はパートを含め586人。中四国地方を中心とした学校・官公庁・企業などの食堂・給食業務を手がけています。

5日夕方、ホーユーがJNNの取材に応じ、「食材や光熱費の価格が高騰したが、学校給食や食堂の事業では値上げが難しく、経営環境が悪化した。8月31日までは事業継続に向けて動いていたが、急転直下で事態が悪化した。破産手続きに向けて準備中で広島地裁に近く破産を申し立てる予定」と説明しました。

ホーユーによりますと、給食や食堂の運営を担っている全国の約150施設のうち、現時点で半分程度が停止中だということです。

© 株式会社中国放送