揚水機場に仮設ポンプ 氷見市9月補正、大雨被害の西条畑地 補給水増量へ協議急ぐ

氷見市が仮設ポンプ設置する西条畑地かんがい土地改良区の揚水機場=高岡市守山

 林正之氷見市長は5日の会見で、9月補正予算案を発表した。5~7月の豪雨で被災した農地・農業施設の復旧に8429万円を計上した。7月に揚水ポンプが水没、停止した西条畑地かんがい土地改良区の揚水機場(高岡市守山)に、仮設ポンプを設置し、来年3月の稼働を目指す。

 ただ、11月までとされる通水期間に間に合わない。林市長は補給水を増量する応急工事の早期実施に向けて、富山県、国と協議を急ぐ考えを示した。

 氷見市は揚水機場の故障を受けて、上水道から日量最大240トンを整水池に補給している。ただ、必要とされる日量1千トンには届かない。このため、県営西部水道の送水本管から取水して送る応急工事を検討。ただ、水道水供給に対する影響が懸念材料に上がっている。

 林市長は、県企業局と技術的にうまくいくかを試行錯誤している段階と説明。新たな配管をする場合には国道の歩道を通るため、国土交通省との協議も必要になると述べた。

 市は、農家では白ネギやニンジン栽培に影響が出ていると説明。神代太建設部長は、今月中に応急工事のめどを付けたいとした。

 補正予算案では仮設ポンプ設置や応急工事の費用のほか、揚水機場の本復旧に向けた設計費を計上した。

 災害復旧事業では、決壊した坪池のため池のほか、懸札、一刎、吉池、仏生寺(上中)の農地や道路、水路の工事費や設計費を計上した。

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