氷見市で空き家バンク登録急増 前年同期比2.9倍、移住者受け皿に

空き家や移住の相談を受け付ける氷見市IJU応援センター=同市中央町

  ●登録呼び掛け、助成奏功

 氷見市の空き家情報バンクの新規登録件数が今年度、8月末時点で昨年度同期比約2.9倍の26件と急増している。市では、移住者が増加する一方、受け皿となる空き家の不足が課題。市内の不動産業者や所有者などに登録の呼び掛けを強化したことが功を奏しているとみられる。市は昨年度から空き家改修の助成を拡充しており、制度も追い風により多くの物件の確保につなげたい考えだ。

 空き家バンクの新規登録件数は今年度、4月が8件、5月が1件、6月が7件、7月が8件、8月が2件となった。昨年までは、月0~4件の登録にとどまることがほとんどだった。

 市では、昨年度、市IJU応援センターを介した同市への移住者が22組42人を数え、2年連続で過去最多を更新。これに伴い、空き家の需要も高まっている中で、今年度は登録件数が好調に推移している。

 同センターによると、急増の要因は空き家バンクへの登録を市内の不動産関係会社に呼び掛けたことや、市の広報に空き家の利活用を促す特集ページを掲載するなどして周知を強化したことが大きい。

 加えて、市は昨年度からリフォーム費用などの助成を100万円から、300万円に引き上げたほか、空き家バンクに賃貸物件として登録した場合に2万円、賃貸契約成立時に3万円を支給する奨励金制度も新設しており、追い風になっているとみる。

 このほか、同センターでは金融機関と協力して空き家の情報収集などにも取り組む。同センターの藤田智彦マネジャーは「他の機関との連携も探るなど、さまざまなアプローチから空き家情報の充実に努めたい」と話した。

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