コンビニ店長が“手口”伝えて詐欺被害ストップ 高齢者に電子マネー購入思いとどまらせる 兵庫・豊岡

署長感謝状を受け取る菅村正巳さんら=豊岡署

 電子マネーを使った詐欺被害が疑われた男性客に声をかけ、購入を思いとどまらせたとして、兵庫県警豊岡署は、ファミリーマート豊岡千代田町店(豊岡市千代田町)の菅村正巳店長(41)に署長感謝状を贈った。

 同署によると、菅村さんは8月7日、電子マネーカードを購入しようとした同市内の男性(77)に対し、詐欺の手口を伝えたり、同署に連絡したりして購入を思いとどまらせ、被害を未然に防いだ。男性は交流サイトで知り合った女性から「生活が困窮しており、援助してほしい」と頼まれており、1万円分を購入しようとしていたという。

 同月31日にあった感謝状の贈呈式では、菅村店長が、電子マネーを使い慣れていない男性の様子などから被害を疑ったと説明。「声をかけても『大丈夫』と帰ってしまう人もいて、判断が難しい」とし、「1店だけでなく、コンビニエンスストア全体の防犯意識を高めるきっかけになればうれしい」と話す。

 今回は初めて、詐欺を防ぐ謝礼制度が適用され、同市内の4防犯協会から2千円分のギフトカードも贈られた。(阿部江利)

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