8月の猛暑、県内各所に影響 

 猛烈な暑さとなった8月、県内全22の観測地点で平均気温が観測史上最高を記録したことが5日、山形地方気象台への取材で分かった。日本海側はフェーン現象の影響もあり、連日危険な暑さとなった。暑すぎる影響は多方面に及び、海水浴客は減少した一方、熱中症搬送者数は激増し、自動車のバッテリー上がりや自転車のパンクといったトラブルも増加した。

 同気象台によると、8月の平均気温は酒田30.1度、山形と新庄28.6度などで、月平均気温の高さは22地点とも観測史上1位となった。9月に入っても、前半は平年と比べ気温が高い状態が続く予報だ。

 「天気が良い日が続いたのに厳しいとは…」。鶴岡市の湯野浜海水浴場を運営する湯野浜温泉観光協会の奥山雄一事務局長(56)は嘆く。海水浴客は天気や波の状況で変動するものの、今夏は新型コロナウイルス禍の減少分が復活する見込みがあった。結果は約17万8500人で、約21万3700人だった21年より3万5千人ほど少なくなった。「砂浜ははだしで歩けないほど熱かった。熱中症の危険性もあり足が遠のいたのではないか」と奥山事務局長は振り返る。

 酷暑に伴い、自動車のバッテリー上がりは増加した。日本自動車連盟(JAF)山形支部によると、救援の依頼件数は7月が251件(昨年同月比49件増)で、8月は速報値で361件(同50件増)。空調などの使用でバッテリーを酷使したことが要因だという。担当者は「電力使用量を抑えるよう心がけてほしい」と呼びかけた。

 山形市内の自転車店「したら輪店」では、8月のタイヤのパンク修理依頼は昨年同期より倍増の約60件だった。日差しや高温になったアスファルトから熱が伝わり、タイヤの劣化が早まった可能性があるという。同店の設楽勝美さん(72)は「今年の8月は異常だった」とこぼした。

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