ウクライナ西部のリビウ、4万人が義肢必要に 市長が神戸訪れ、ロシア侵攻の現状説明

神戸市役所を訪問し、出迎えた職員ら約100人から歓迎を受けるリビウのアンドリー・サドビー市長(中央)=神戸市中央区加納町6

 ロシアの侵攻が続くウクライナから西部リビウのアンドリー・サドビー市長らが来神し、6日、神戸市役所を訪問した。久元喜造市長と面会し、同国の現状などについて意見交換した。

 両市は侵攻前から交流があり、今年5月には市長同士がオンラインで初めて対談。今回は7~8日に神戸市で開かれる「国際フロンティア産業メッセ」で「ウクライナ・パビリオン」の開設が決まり、リビウなどの企業が出展するのに合わせて訪問団が来神した。

 面会ではサドビー市長が、リビウはロシアの占領地から約15万人が避難し、市立病院は約1万3千人の負傷者を受け入れていると報告。義肢を必要とする人々は約4万人に上るという。

 リビウの市立病院では、世界的建築家の坂茂さんがリハビリ施設を拡張するプロジェクトを進めている。サドビー市長は「完成すれば病院からあふれている患者の受け皿になる」と期待を寄せた。7日には神戸の医療産業都市を視察し、坂さんらと共にプロジェクトの詳細を紹介する。

 久元市長は「義肢の装具の提供が求められている状況を再認識した。神戸市も必要な支援が得られるよう国に働きかけたい」と話した。(金 旻革)

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