栗子山(米沢)に風力発電計画 JR東エネ開発、9日に説明会

 JR東日本エネルギー開発(東京)が米沢市の栗子山で風車を最大10基建設する風力発電事業を計画していることが6日、関係者への取材で分かった。同社は9日に市内で住民説明会を開く。同社が公表した環境影響評価準備書によると、建設予定エリア周辺では国の天然記念物イヌワシの生息が確認されている。

 事業実施区域は福島県境付近の栗子山南側で計画し面積は約260ヘクタール。高さ最大168メートル、ブレードの回転直径136メートルの風車を最大10基程度設置するとしている。全体の出力は最大で3万4千キロワットを想定し、2028年度の稼働を目指している。

 環境保全に関する同社の考えをまとめた準備書では、2020~22年に20回にわたって現地調査を行った結果、事業実施区域や周辺で、イヌワシの生息が確認された。同社は19年度から、同事業に関する環境影響評価(環境アセスメント)の手続きを進めており、準備書の公表は5段階のうち、3段階目に当たる。

 10月2日まで米沢市役所や同社ホームページで準備書の縦覧ができる。同社は「現地調査結果を踏まえ、環境への影響を低減させるべく、風車の配置や施工計画を進めていく」としている。

 近隣の板谷地区の山地では別の民間業者が4基の風車で風力発電事業を稼働している。

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