エスカレーター「片側空けるのは常識ではない」 京都府理学療法士会などが呼びかけ

エスカレーターで歩かないよう呼びかけるうちわを配る府理学療法士会のメンバーら(25日、京都市中京区・京都市役所前駅)

 エスカレーターで歩かないように呼びかける啓発キャンペーンを、京都府理学療法士会と京都市交通局が市営地下鉄の駅で行った。転倒する恐れがある上、障害や高齢により横を歩かれることに恐怖を感じる人もいるためで「片側を空けるのはもう常識ではありません」と地下鉄利用者に理解を求めた。

 リハビリの専門職でつくる同会によると、半身にまひがある人や、けがでつえを使う人はエスカレーターで左右どちらかの手すりにしか寄りかかれない場合がある。そのため同会は2019年から左右両側に立ち止まるよう訴える活動を展開している。

 25日は同会メンバーと市交通局職員が京都市役所前駅と三条京阪駅で「あなたが止まれば、うしろも止まる」「いちばん厄介なのは『片側を歩く』という、きのうまでの常識でした」と書かれたうちわを配布。横を歩かれるだけで恐怖を感じる人がいることを訴えた。

 同会の麻田博之会長は「エスカレーターに乗るのが怖いという声もあり、社会に出る支障になっているとも感じる。キャンペーンを通じ、高齢者や子ども、障害がある人にとってやさしい社会をつくるきっかけにしていきたい」と話していた。

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