京都府警の警察官が描く「ヘル&ロック」 自転車のヘルメット着用と施錠PR

自転車の安全と防犯を訴える「ヘル&ロック」など、手がけたイラストを持つ西村警部補(京都市上京区・府警本部)

 交通安全に関するさまざまな取り組みを担当する京都府警交通企画課には、特技の作画の腕を生かして活動する警察官がいる。目を引くイラストを描き、自転車のヘルメット着用を呼びかける動画を制作するなど、活動の幅を広げている。

 同課の西村愛警部補(46)。2000年に採用され、交通分野の安全教育に長く関わっている。事故防止策の立案や調整が主な業務だが、幼少期から得意の絵画を生かし、広報物のイラストを同僚らと担当してきた。

 このほど、自転車のヘルメット着用と施錠をPRする動画制作を受け持った。タブレット端末のソフトを駆使し、ヘルメットをかぶったロック歌手を描き、簡単な動きと音楽をつけてアニメーションにした。タイトルを「ヘル&ロック」とし、「これがなければこの世はヘル(地獄)」「ヘル&ロック!あなたを守る合言葉」などと歌詞の字幕を添えた。

 演奏シーンに登場するギターのボディーを自転車の鍵を模した形に工夫し、「(自転車に)ロックして」との思いも込めた。動画は府警ホームページなどで配信しており、音楽と歌詞の構成のため、「歌ってもらい、その様子をSNSに投稿するなどして広めてほしい」と期待する。

 現役警察官がイラストを描ける強みは、交通事故や制度変更などの情勢に合わせた内容を分かりやすく伝えられること。西村さんは「特技の絵をさまざまな場面で使い、交通安全の大切さを訴えていきたい」と力を込めた。

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