「夢は白鵬超え」鳥取の強豪に相撲留学 中学横綱、高校IHで準V 京都出身の西村さん

京都に帰省し、稽古で中学生に胸を貸す鳥取城北高校の西村(京都市右京区・嵯峨中学校)

 京都出身の高校1年生が、今夏の全国高校総体(インターハイ、IH)の相撲個人で準優勝を果たした。中学から親元を離れ、「中学横綱」に輝いた京都府宇治市出身の西村和真(鳥取城北高校)。高校でもすぐに結果を残しながら、「まだ力不足。もっと強くなれる」と上昇志向は欠かさない。

 小学1年で相撲と出会い、京都市内のクラブで稽古に励んだ。柔道やレスリング、ラグビーなどにも取り組んだが、「相撲だけは、やられたら取り返せない厳しさがある」。負けず嫌いな性格と合い、相撲一本に絞った。

 中学から相撲に専念できる環境を求め、強豪の鳥取城北高校と関係の深い東伯中学校(鳥取県琴浦町)に進学。寮生活をしながら稽古に励み、週末は同高の生徒に胸を借りた。当時は同高2年に落合哲也(伯桜鵬、宮城野部屋)が在籍。角界入りし昭和以降最速の新入幕を果たした先輩に「誰よりも強く、誰よりも稽古をしていた。自分もああなりたい」と憧れ、練習が終わってからも一人で四股を踏み続けた。中学3年で全国中学選手権個人優勝を果たし「中学横綱」に。今年2月の国際親善大会「白鵬杯」でも頂点に立った。

 柔道やレスリングの経験から投げが得意だが「自分と相手、どちらもしんどいのが押し相撲。だからこそ鍛える意味がある」と、高校では押し相撲を学んだ。モンゴル人留学生ら有望株と一緒に鍛え、173センチ140キロの小兵ながら一目置かれる存在に成長した。IHでは、押しでペースを握って個人無差別級準優勝。団体準優勝にも貢献した。

 先月、小学生時代の恩師が勤める嵯峨中学校(京都市右京区)を訪れ、同中学校の相撲部員と汗を流した。胸を貸しながら助言も送り、「今の恵まれた環境におごらず、相撲に関わる時間を大切にしたい。教えることで自分の理解も深まるし、いい稽古になった」と笑顔だ。

 目標は高校日本一、そして大相撲の頂点横綱。「白鵬関(現宮城野親方)を超える横綱になる。夢は大きくなければ意味がない」と決意を口にした。

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