アドバイスくれた?京アニ女性監督に抱いた感情「ラブです」 青葉被告の創作意欲と恋心

青葉真司被告

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った京都アニメーション第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第4回公判が11日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で行われた。前回の審理に引き続いて青葉被告の被告人質問があり、青葉被告が小説執筆や京アニにこだわりを持つようになった経緯について弁護側との問答が続いた。

 弁護側は、青葉被告は2019年の京アニ事件当時、妄想性障害の影響で心神喪失か心神耗弱の状態にあったとし、無罪か刑の減軽を求めている。

 青葉被告は07年に女性宅への住居侵入事件で執行猶予判決を受けた後の09年ごろに小説を書き始めた。小説の応募先として「京都アニメーション大賞」を選んだ理由について「上りのエスカレーターに乗りたい。(京アニとなら)最高のアニメ、最高の物語をつくることができると判断した」と述べた。

 また、青葉被告は匿名のインターネット掲示板「2ちゃんねる」で京アニに関する情報を収集していたと説明。掲示板では京アニの著名な女性監督から創作のアドバイスをもらったとの主張を展開し、この女性監督に対して抱いていた感情を問われると「ラブです」と答えた。

 一方、青葉被告は掲示板上でこの女性監督とトラブルになったとも主張した。

 

 弁護側は5日の初公判で、犯行は「青葉被告の人生をもてあそんだ『闇の人物』への反撃だった」と訴えた。青葉被告は罪状認否で「事件当時は、こうするしかないと思っていました」と述べた。検察側は冒頭陳述で、妄想に支配された末の犯行ではなく、「筋違いの恨みによる復讐」と指摘。被告には事件当時、完全責任能力があったと主張している。

 起訴状によると、青葉被告は2019年7月18日午前10時半ごろ、京都市伏見区の京アニ第1スタジオに正面玄関から侵入し、ガソリンを社員に浴びせてライターで火を付けて建物を全焼させ、屋内にいた社員70人のうち36人を殺害、32人に重軽傷を負わせた、などとしている。

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