県警パトカーをラジコンで再現 県内の会社員男性5人 警察官への感謝と敬意表わす

県警の車両をモデルにラジコンパトカーを製作している千葉さん(左端)と吉井さん(中央)、今さん=8月16日午後、下野新聞社

 ラジコンカーを趣味とする栃木県内の会社員男性5人が、栃木県警のパトカーをモデルとした10分の1サイズの「ラジコンパトカー」を製作している。実車の写真を基にシールやスプレーで忠実に再現。製作した車両は9台となり、ラジコンサーキットや交通安全イベントに持参し披露している。発起人の宇都宮市上戸祭4丁目、吉井大輔(よしいだいすけ)さん(36)は「日頃のパトロールや交通安全の行事で気さくに応じてくれる警察官に感謝と敬意を表した。周囲を笑顔にしながら交通安全の意識を高めたい」と語った。

 メンバーは吉井さんの他、同市宮原3丁目、今富彦(こんとみひこ)さん(45)、鹿沼市栄町3丁目、千葉稔(ちばみのる)さん(41)ら。約5年前に宇都宮市内のラジコンサーキットで出会った。

 3、4年前のこと。親族に県警の元警察官がいる吉井さんが、県警仕様のラジコンパトカーを作ったことがきっかけとなった。完成品をラジコン仲間に見せると「面白い。子どもたちも喜ぶ」と共感を得た。今さんや千葉さんらも、県警のホンダ「NSX」、日産「GT-R」などのパトカーを作るようになった。

 撮影した実車の写真を見ながら塗装や工作した。車体の配色のほか、「栃木県警察」や「交通安全運動実施中」の文字の大きさにも気をつけた。赤色回転灯も光り、本物さながらだ。1台の製作には1~2カ月かかるという。

 「警察官は忙しく、現場に出たらご飯も食べられないだろう」(今さん)と、車内におもちゃの牛丼を乗せるなど遊び心も入れた。

 既製品は警視庁仕様の物が多いといい、「私たちは栃木県警を応援している」と地元愛を前面に打ち出す。かつて使用されたという日産「セドリック」のパトカーを作った千葉さんは「ベテランの警察官に見せた時、懐かしんでくれたのがうれしかった」と話す。

 サーキットでは、ラジコンパトカーが他の車両の“取り締まり”を行うなどし、周囲を和ませている。今さんは「製作していると、実際の車の運転も気が引き締まる。10分の1の世界でも交通安全に役立てる」と笑った。

県警の車両をモデルにラジコンパトカーを製作している千葉さん(左端)と吉井さん(中央)、今さん=8月16日午後、下野新聞社
県警の車両をモデルにラジコンパトカーを製作している今さん(左端)と千葉さん(中央)、吉井さん=8月16日午後、下野新聞社

© 株式会社下野新聞社