国内トップクラスの音楽コンクール「日本クラシック音楽コンクール」で昨年、京都府向日市の舩越咲希さん(5)がバイオリンの幼児の部で、1位2位なしの3位に輝いた。関西フィルハーモニー管弦楽団の第一バイオリン奏者で、舩越さんを指導する中野緑さん=向日市=は、年少児での快挙に「将来は日本を代表する奏者になる」と喜ぶ。舩越さんは「バイオリニストになって海外に行きたい」と夢を膨らませている。
舩越さんは京都市西京区の幼稚園に通う年中児。
音楽が大好きで、1歳半ごろからオーケストラの演奏を聴くと泣きやんだという。2歳の誕生日、楽器に興味を持ったことから、中野さんにバイオリンを学び始めた。
楽譜に名前をつけたり、バイオリンを持ち歩いたりと、音楽が友達のようで、平日は2時間以上、休日は4時間以上、練習する。
うまく弾けなくて泣くこともあるが、切り替えが早く、一度指導されたことはすぐ覚える。「練習するとうまくなる。バイオリンもピアノもダンスもぜんぶ好き」と元気いっぱいに笑う。
コンクールで演奏したのは、クライスラー作曲の「前奏曲とアレグロ」。テンポが速く重音が多い難曲だが、2週間ほどで楽譜を覚え、当日は一つのミスもなく、正確に演奏した。ユーチューブに家族が演奏の様子を投稿すると、1万4千回以上再生され、話題になっている。
中野さんは「幼児の心を持ちながら、難しい曲で自分を表現している。いろいろなことを経験して幅の広い演奏家になってほしい」と期待している。