【ベトナム】早急な「市場経済国」認定要請、米大統領に[政治]

バイデン米大統領と会談するベトナムのファム・ミン・チン首相=右(政府公式サイトから)

ベトナムのファム・ミン・チン首相は11日、首都ハノイで行ったバイデン米大統領との会談で、米国がベトナムを早急に市場経済国として認定することを求めた。前日のグエン・フー・チョン書記長とバイデン氏の首脳会談で両国関係を包括的戦略パートナーシップに格上げすることが合意されたことを受け、チン氏は「経済・貿易・投資協力は両国関係の永遠の原動力とみなすべきだ」と主張。そのためにも、市場経済国に認定されていないことによる通商上の障害を取り除くよう規制見直しを求めた。政府公式サイトが同日伝えた。

米国は、市場経済国と認定していない「非市場経済国」からの輸入に対して、アンチダンピング(不当廉売)税や相殺関税の税率を市場経済国より高く設定している。米国がベトナムを市場経済国と認定すればベトナムの対米輸出に追い風となるが、会談ではバイデン氏は直接的な回答はしなかった。

チン氏は、包括的戦略パートナーシップへの移行をより効率的に進めるため、党、政府、民間を含むあらゆるレベルで協力関係を強化する必要があると主張。両国の貿易投資枠組み協定を見直し、米国のハイテク企業がベトナムでよりビジネスをしやすくする環境を整えることも提案した。

バイデン氏は、両国の経済協力拡大の一例として、半導体分野の人材育成強化を通じたサプライチェーン(供給網)の強化を挙げ、「ベトナムが地域や世界のサプライチェーンにより深く浸透し、重要な役割を果たせるよう米国は支援していく」と応じた。

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