脱サラ 洋菓子店開店 51歳宮森さん「新しい味試して」 富山・新庄、こうじケーキ開発

菓子を焼くなど開店準備をする宮森さん=富山市新庄町

  ●新村商店が応援

 コロナ下の職場の変化を機に脱サラした宮森雅也さん(51)=立山町前沢新町=が15日、富山市新庄町で洋菓子店「ちとせ菓子店」を開店する。発酵食品の老舗「新村こうじみそ商店」(同市)の応援を得て、こうじを使ったケーキを作り込んだ宮森さんは「新しい味わいを試してほしい」と期待した。

 宮森さんは新村こうじみそ商店の新村弘之社長と親戚関係にあり、開店前、菓子作りについて相談した。小麦粉の代わりに、こうじの粉末を使った「チーズスフレ」や「チョコケーキ」を開発、こうじみそや甘酒を使うレシピも考えた。

 一般的にこうじなどは健康や美容効果があるとされ、宮森さんは「発酵食品を取り入れた体に優しい菓子を提供したい」と語った。

 宮森さんは大卒後、大和で27年間勤務した。退職前は富山大和で物産展や装飾を担当する課長だった。2020年春、富山大和はコロナの感染防止のため約1カ月の休業を余儀なくされ、自宅で生き方を見つめ直したことが脱サラにつながった。

 「ケーキを食べるのが大好きで、いつか店をやれたらいいなと思っていたんですよ」。頭の隅に20年ほど前からあった夢が膨らみ始め、21年春に退社。富山市の富山調理製菓専門学校で約1年間学んだ。

 同時期、修業のために和洋菓子を製造する大手のボン・リブラン(同市)で働いた。午前4時から8時に職場でケーキの飾り付けなど仕上げをした後、専門学校で若い学生と一緒に菓子づくりを教わった。

 店名の「ちとせ」には「千歳あめのように長く細く営業したい」との願いがこもる。宮森さんは「地元の食材を使い、地域の魅力発信にも貢献したい」と意気込みを語った。

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