「地方思い誠心誠意」 地方創生相退任の岡田氏   

引き継ぎの準備を進める岡田氏(左)=内閣府

  ●文化観光引き続き尽力

 内閣改造に伴い、地方創生担当相を退任した岡田直樹参院議員は13日、臨時閣議後の会見で「地方の思いはわが思い。就任からの399日間、誠心誠意取り組んだ」と述べ、地元・石川に感謝した。地方創生の柱と位置付けた「文化観光」が脚光を浴びたことに手応えを示し「これからも活力ある地域社会の実現につなげたい」と力を込めた。

 昨年8月に発足した第2次岸田改造内閣で最多となる八つの担務をこなした岡田氏は、それぞれの分野への思いを事前に用意した原稿に目を落としながら15分間にわたって語った。

 地方創生の話題では、石川で生まれ育ったことに加えて、北國新聞記者から県議、国会議員を経験して地方創生相に就いたことをアドリブで紹介。「地方の思いを大切にし、地方創生に取り組む幅広い関係者の声に耳を傾けてきた」と強調した。

 新型コロナウイルスや物価高の対策として自治体に分配する地方創生臨時交付金には、重点支援交付金を設けるなどして計2.4兆円を新たに盛り込んだとし「地域の実情に応じてきめ細やかに対応できるよう支援を進めた」と説明した。

 沖縄振興には「格別の思いがある」とし、2019年の火災で正殿などが焼失した首里城(那覇市)に言及。当時の菅義偉官房長官の指揮で関係閣僚会議が設置され、昨年11月に復元整備の起工式が行われたことに触れ、「のみ入れに立ち会った時には大変感慨深いものがあった」と振り返った。

 自身の提案で、北陸先端科技大学院大(能美市)と沖縄科技大学院大(沖縄県恩納村)が学術協力に関する基本協定を結んだことについては「世界最高水準の研究教育の成果を日本に還元し、研究教育のさらなる国際化に貢献してほしい」と話した。

 「担務が多岐にわたり、1日たりとも気を抜くことができなかった」と笑顔を見せた岡田氏。最後は「多くの皆さまの配慮に感謝します」と述べて記者団や秘書官に頭を下げ、誠実な人柄をにじませた。

  ●首相からねぎらい 「新大臣に力を」

 会見後、岡田氏は北國新聞社の取材に応じ、臨時閣議後に岸田文雄首相、松野博一官房長官と懇談し、2025年大阪・関西万博や沖縄振興に向けた取り組みについてねぎらいを受けたことを明かした。

 岡田氏によると、岸田首相からは万博について「これから数カ月が本当の正念場。新大臣に力を貸してほしい」と要請を受けたという。

 岡田氏は13日午後、幹部職員とあいさつを交わし、14日に後任の自見英子新地方創生相らに引き継ぐ内容を確認した。

  ●本社が速報版

 北國新聞社は13日、第2次岸田再改造内閣の顔触れを伝える速報版を出し=電子版でも配信した。

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