金沢おどり、稽古大詰め 節目の舞台15日開幕

大和楽奏者と総おどり「金沢風雅」を合わせる三茶屋街の芸妓衆=金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホール

  ●県立音楽堂 芸妓衆と奏者つぼ合わせ 

 15日から金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホールで始まる北國新聞創刊130年記念「第20回金沢おどり」(同実行委員会、一般財団法人県芸術文化協会、北國新聞社主催)に向け、大和(やまと)楽(がく)の奏者とのつぼ合わせ(合同稽古)が、同ホールで行われた。ひがし、にし、主計(かずえ)町の金沢三茶屋街の芸妓(げいこ)衆は演奏に合わせて踊りを最終確認し、節目の舞台に向けた稽古は大詰めを迎えた。

 今年は舞踊絵巻「芸妓艶(あですがた)鏡花絢爛(きょうかけんらん)」と題し、生誕150年の文豪泉鏡花の名作を、芝居心たっぷりにつづる。

 「瀧の白糸」では、この舞台のために制作された新曲大和楽「水競加賀白糸」が披露され、ひがしの芸妓衆が奏者と息を合わせた。幻想小説の「海神別荘」(にし)、「天守物語」(主計町)、花街ものの「日本橋」(にし)、「婦(おんな)系図」(ひがし)などの各場面も稽古した。

 「歌行燈(うたあんどん)」はベテラン芸妓による舞台となる。午後1時の部は、ひがしの小千代さんの唄に合わせて、主計町のかず弥さんが「新曲浦島」を舞う。午後4時の部はにしの乃莉さんが小鼓一調「飛翔」を披露する。

 振付・演出を務める日本舞踊正派若柳流若柳会長の若柳宗樹(そうじゅ)さん(総合演出)、西川流家元の西川千雅(かずまさ)さん、寿柳(としやぎ)流宗家家元の寿柳貴彦さんが指導した。大和楽の大和櫻笙(おうしょう)家元が立ち会った。

 長唄の杵屋君三郎さん、岡安祐三朗さんらが舞台を支えた。

  ●新花、初舞台に意欲 ひがしの美紅さん、以とさん

 金沢おどりにはひがし茶屋街の美紅(みこう)さん、以(い)とさんの新花2人が初出演する。総おどり「金沢風雅」やお座敷太鼓に加わるほか、主計町芸妓衆による舞踊絵巻「天守物語」に切禿(きりかむろ)役として登場し、唄と踊りを披露する。

 金沢生まれの美紅さんは昨年11月、東京都出身の以とさんは今年2月にお披露目された。美紅さんは「お座敷と違い、客席が遠いのでお客さまに伝わる踊りを届けたい」と意欲を示し、以とさんは「指導頂いた子供らしい表現を、とにかく楽しんで演じたい」と話した。

初舞台へ意欲を語る美紅さん(右)と以とさん

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