ドイツ代表FWカイ・ハヴァーツは、今夏チェルシーから6500万ポンド(約110億6600万円)の移籍金でアーセナルに加入しミケル・アルテタ監督から重用されているものの、低調なパフォーマンスに終始しファンから批判を浴びている。
今週末に行われるアウェーでのエヴァートン戦に向け、ファンはU-21ポルトガル代表MFファビオ・ヴィエイラの先発起用を求めているようだが、イギリスのウェブメディア『フットボール・ロンドン』は、エヴァートン戦ではハヴァーツを先発起用すべきだと進言している。
エヴァートンは現在、ピッチ中央にセネガル代表MFイドリッサ・ゲイェ、ベルギー代表MFアマドゥ・オナナ、マリ代表MFアブドゥラエ・ドゥクレの3人を配置する布陣で戦うことが多い。いずれも身体能力が高く、走力や読みの鋭さも備えた選手で、この3人が相手の中央突破を防ぐ役割を担っている。
今週末のアーセナル戦でもこの3人の先発出場が濃厚となっているが、それこそがハヴァーツを先発出場させるべき理由だという。
『フットボール・ロンドン』はスポーツのライブスコアサイト『Sofascore』のデータを引用しつつ、ハヴァーツとファビオ・ヴィエイラの対人プレーの数値を紹介している。それによると、ハヴァーツは今シーズン、90分あたり3.8回のボール回収と5.2回(うち2回は空中戦)のデュエル成功を記録しており、一方のファビオ・ヴィエイラは90分間あたりのボール回収は1.5回、デュエル成功は1回になっているという。
つまり、ゲイェ、オナナ、ドゥクレの3人とマッチアップするためには、小柄なファビオ・ヴィエイラよりも体格に恵まれて対人プレーに強いハヴァーツを起用するほうが理にかなっているということだ。
また、エヴァートンはホームゲームでは状況に応じてハイプレスを仕掛けてくる傾向がある。アーセナルはショートパスをつなぐスタイルを志向するが、ハイプレスを仕掛けられた際には前線にロングボールを供給する必要にも迫られ、そのターゲットとしてもハヴァーツが機能するという。
別のデータサイト『FBREF』によると、ハヴァーツは昨シーズン、空中戦で57.2パーセントという高い成功率を記録した。これはウェストハムのチェコ代表MFトマーシュ・ソウチュクやマンチェスター・ユナイテッドのイングランド代表DFハリー・マグワイア、そして前述のオナナよりも上位の数字だという。アーセナルが苦手とするグディソン・パークでのエヴァートン戦に勝利するためには、フィジカル勝負に強いハヴァーツが極めて重要になりそうだ。