長崎県内 児童相談所の対応件数 過去最多の1084件 心理的虐待が6割、2022年度

 長崎県は12日、2022年度に児童相談所(長崎・佐世保こども・女性・障害者支援センター)が対応した児童虐待相談対応件数が、前年度比110件増の1084件で過去最多だったと発表した。県は「地域社会の意識の高まりや関係機関による通告の徹底が増加につながった」として、早期発見や早期介入できたケースが増えているとみている。
 内容別では心理的虐待が648件で約60%を占めた。県は身体的虐待などとして通告された世帯で児童虐待の現場を目撃したきょうだいや、面前DVにより心理的虐待を受けたとして対応した件数が多かったためと分析している。次いで身体的虐待259件、ネグレクト(育児放棄)163件、性的虐待14件だった。
 主な虐待者は実父549件、実母390件で実の両親が全体の約87%。経路別では警察692件、その他(市町、県外の児童相談所など)130件、福祉事務所81件と続いた。被虐待児の年齢区分は0~3歳279件、4~6歳219件で未就学児が全体の約46%を占めた。一時保護は299件、立ち入り調査は0件だった。

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