Uターン開業で事前試食会 七尾、地域で「味見」助言

事前試食会で料理を提供する西本さん(右)=七尾市のパトリア

  ●10月出店の西本さん「接客の勉強に」

 新規創業を後押しする七尾市の官民連携団体が、飲食店の開業を目指す移住者ら向けに事前試食会の場を設ける取り組みを始めた。14日までに、JR七尾駅前の商業施設パトリア内「里山里海キッチン」で第1弾が行われ、今年5月に七尾市へUターンした西本亮太さん(30)が利用。10月にオープンするレストランの洋食メニューが振る舞われ、味見した地元住民らが感想や改善点について助言した。

 のと共栄信用金庫や七尾商工会議所、七尾市などで構成する「ななお創業応援カルテット」が試食会を企画した。西本さんから「開業する前に、価格や味について広く意見を募りたい」と相談を受け、設備が整っており、人も集まりやすい里山里海キッチンを活用することにした。

 試食会は8日に開かれ、パトリアを訪れた買い物客ら約30人がランチメニューとして提供される予定のオムライスやパスタを味わった。試食後のアンケートでは「価格もちょうど良く、味もおいしかった」との意見や「提供時間を早くしてほしい」などの要望があった。

 参加者のアドバイスを参考に、西本さんは近く店舗での価格やメニューを最終決定する。西本さんは「大人数が来店した際の対応なども勉強することができ、ありがたかった」と語った。

 創業応援カルテットは今後も開業予定の飲食店から希望があれば、同じような試食会を開催する方針で、里山里海キッチンを運営する「創生ななお」も協力する。創生ななおの澤村功夫総務課長は「駅前や街の活性化につながる動きを応援したい」と話した。

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