2022-23シーズン終了後にシャビ監督の構想外に置かれ、退団が既定路線とされていたスペイン代表FWフェラン・トーレスは、今季に入り周囲の期待をはるかに上回る活躍を見せている。地元紙『Diario Sport』はそんなフェラン・トーレスの活躍に対し、“新たな補強”との見出しをつけて評価している。
フェラン・トーレスは2022年1月に5500万ユーロ(当時のレートで約70億円)の移籍金でマンチェスター・シティからバルセロナへと加入した。移籍が決まった当時はコロナ禍だったことも相まって、高い買い物だという見方をされていた。
同年1月にフリー移籍でアーセナルから加入したピエール=エメリク・オーバメヤンが半年間で17試合に出場し11ゴール1アシストを記録したのに対し、フェラン・トーレスは18試合で4ゴール4アシストと、その高額な移籍金に対して物足りなさが残るシーズンとなった。
迎えた2022-23シーズンはフル稼働し、公式戦45試合に出場して7ゴール3アシストを記録したが、やはり他のアタッカー陣と比べると及第点以下の出来と言わざるを得ない成績となった。また、シャビ監督が自ら希望しトップチームデビューさせた16歳のスペイン代表ラミン・ヤマルの存在もあり、フェラン・トーレスのバルセロナでの挑戦は終わりを迎えたように思われた。
しかし今シーズンに入り、第2節カディス戦、第3節ビジャレアル戦で途中出場からゴールを奪うと、その後の代表ウィークでマルコ・アセンシオ、ダニ・オルモの負傷による離脱を受けてスペイン代表に追加招集。9月12日に行われたキプロス戦で途中出場から2ゴールを決めた。
ここまでの活躍を『Diario Sport』は「まだ、バルセロナでスタメンを約束されているわけではないが、バルセロナは今こそフェラン・トーレスのフィジカル、テクニックを利用する時だ。構想外の立場から再生可能な選手であることを証明し、ゴールが彼に自信を与えている」
現状バルセロナではヤマルの控えとなっているが、前線の複数ポジションでプレー可能なフェラン・トーレスがスタメンになる可能性も十分にあるだろう。