魚津で料亭経営の浜多屋が事業停止

  ●負債総額は約1億1500万円

 東京商工リサーチ富山支店によると、魚津市末広町の料亭「浜多屋本店」を経営していた浜多屋(濱多等社長)は14日までに事業を停止し、破産申請の準備に入った。負債総額は約1億1500万円とみられる。

 富山支店によると、本店は1955(昭和30)年創業。会席料理や慶事、法事などで利用され、地元斎場の会食室でも料理を提供していた。同業他店との競合で売上高が減少し、コロナ下で会食が避けられ、利用客が減少した影響もあったとみられる。市内の飲食店主は「かつては多かった料亭での宴会が年々減り、経営が厳しかったのではないか」と話した。

 地元関係者によると、魚津駅前にも出店し、フランスの美食ガイド本の日本版「ゴ・エ・ミヨ」やミシュランガイドで掲載されるなど、高く評価されていたが、今春閉店した。浜多屋が富山市内に出した店も閉じた。破産申請を担当する弁護士事務所によると、浜多屋の事業承継や経営再建の計画はないという。

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