暑さで秋の味覚に異変 「高温障害」でぶどうがタイヘンなことに…

長引く暑さでこの地方の農家の皆さんが頭を抱えています。作物に影響を及ぼす「高温障害」。ぶどうの栽培が盛んな愛知県大府市を取材しました。

長引く暑さ。名古屋市では15日35度を超える猛暑日となり、名古屋では、統計開始以来“最も遅い猛暑日”となりました。

取材班が向かったのは、古くからぶどうの栽培が盛んな、愛知県大府市にあるマルショーぶどう園。こちらのぶどう園では、4年ほど前からぶどうに見られる、ある現象に頭を悩ませています。それは。

(マルショーぶどう園 久野剛寛園長)
「太陽の熱で実がしわしわになってしまって」

濃厚な甘さが特徴だという品種「キタサキレッド」。しかし、実が焦げたような色に。これは、腐った証拠だといいます。

園長の久野さんによりますと、気温35度をこえる日が3日以上連続すると、直射日光や暑さの影響で、実が通常よりも柔らかくなり、焦げたような色に変化し、腐ってしまうということです。

(マルショーぶどう園 久野剛寛園長)
「温度が高くなると高温障害が発生しますので、葉や実に影響があります。早い段階で6月、7月から温度が上がっているので被害は増えていきます」

大粒で糖度が高い「クインニーナ」という品種も被害を受けていました。通常、濃い赤紫色ですが、薄く色が変化し、本来25度ほどある糖度が、20度くらいにまで下がってしまいました。

(マルショーぶどう園 久野剛寛園長)
Q売りには出せない?
「出せない、これは商品に出せないですね」

今年は全体で2割ほどのぶどうが暑さによる被害を受けたとのこと。そこで。

(マルショーぶどう園 久野剛寛園長)
「使える実はあるので、加工品にして販売する方法しかないというか、そういう努力が必要かなというところですね」

贈答用としては販売できなくなっても、果汁を使った加工には全く問題ありません。

大府市の協力も仰ぎ、3年前からは地ビールとして「大府ビール」の販売に乗り出しました。市内の酒店を覗いてみると。

(ふじや酒店 服部啓子さん)
「皆さん買いに来ていただいています。この間、ちょっと品切れの状態もありました」

味はもちろん、フルーティーで華やかな香りが特徴の「大府ビール」。評判を呼んでいるのは喜ばしいことですが、暑さはいつになったら収まるのでしょうか?

© CBCテレビ