五島観光客 コロナ禍前の66%まで回復 朝ドラで知名度向上も要因に 2022年統計

五島市の年別観光入り込み客数

 長崎県の五島市がまとめた2022年の観光統計によると、同市内の入り込み客数は16万6979人で、自治体合併後最少だった前年から4割増えた。新型コロナウイルスの影響はあったが、過去最高だった19年の66%まで回復した。
 市文化観光課は、22年10月から放映されたNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」による全国的な知名度向上や、県や市独自の宿泊助成制度などを回復の要因とみている。
 同課によると、宿泊客数は11万9348人で19年の9割まで回復。市独自の宿泊助成制度のキャンペーンでは5月から今年2月まで約2万9600人が利用し、全体を押し上げたという。延べ宿泊客数は20万人を超え、宿泊施設の増加などで19年を上回った。
 主要観光施設の来場者は各施設で前年より増加。堂崎教会は2万7798人、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産で久賀島の旧五輪教会堂は1万2314人と、2倍超に伸びた。観光消費額は73億1725万円(推計)で、19年の8割近くまで回復した。
 今年の入り込み客数は前年を上回るペースで推移。修学旅行で3年間中断した民泊体験の受け入れも再開した。同課は「世界遺産登録5周年を迎え、旅行会社に商品開発を積極的に働きかけるなど、アピールしていきたい」としている。


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