不登校の子、お寺で交流して 滋賀、月1回お堂で「社会との接点」づくり

悩みを抱える子どもや保護者のための居場所の大切さについて語る菅原住職(滋賀県竜王町七里・円覚寺)

 滋賀県竜王町七里の円覚寺の菅原貴之住職(48)が元保育士の女性らとともに、不登校の子どもや保護者が集い、交流できる居場所「あるますのお堂」を立ち上げる。9月から寺の本堂で月に1回程度開く予定で「子どもたちが社会との接点を持つお手伝いがしたい」と話している。

■悩む保護者にも 寄り添いたい

 学習塾の塾長を務めた経験もある菅原住職は現在、境内で学習塾を開いている。これまでさまざまな子どもと接し、子どもたちが一様に同じ方法で学ぶ必要があるのか疑問に感じたという。「学校に行きづらさを感じている子どもたちが安心して過ごせる場所が必要」と、居場所づくりを企画した。

 菅原住職の知人の元保育士、田原佳代さん(50)=彦根市=も「子どもの将来を明るくするきっかけづくりをしたい」と考えており、企画に賛同。菅原住職の妻とともに居場所づくりの立ち上げに加わった。

 「あるますのお堂」という名前は、「昆虫記」で知られるファーブルがさまざまな昆虫や植物が共生できるようにしたアルマスの庭になぞらえ、「子どもたちの多様性を尊重したい」という思いを込めた。活動中は本堂で絵を描いたり、屋外で虫を探したり、参加者に自由に過ごしてもらう。

 菅原住職は「周囲に相談できず、悩み、苦しんでいる保護者に寄り添える場にもしたい」、田原さんは「悩んでいる子どもや保護者が元気に、笑顔になれる場所になれば」と話している。

 初回は9月17日午後2時から。2回目以降の日時は「あるますのお堂」のインスタグラムで確認できる。できるだけ事前に申し込む。問い合わせは菅原住職080(3779)2194。

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