がん征圧県民のつどい 笠井信輔アナが講演 「まず標準治療」「公的機関に相談を」

闘病体験を通してがんの早期発見・治療の大切さを訴えた笠井信輔さん=佐賀市のアバンセ

佐賀市 がん予防の正しい知識を伝え、早期発見・治療の大切さを呼びかける「がん征圧県民のつどい」が16日、佐賀市のアバンセで開かれた。血液のがん「悪性リンパ腫」を経験したフリーアナウンサーの笠井信輔さんが講演。自身の体験を基に、治療法の決め方や医師とのコミュニケーションの取り方などをアドバイスし、がん検診の重要性を訴えた。

 4カ月半の入院期間中、120時間に及ぶ抗がん剤治療に取り組んだ笠井さんは、抗がん剤の副作用の一つである吐き気を抑える薬の進化によって「食べることで体力を温存できた」と紹介。その上で「より良い治療法を求めて先進医療や自由診療に飛び付くのではなく、まずは標準治療を」とアドバイスした。

 症状や治療の優先順位の希望は、患者から医師に正しく伝えることが重要とも指摘した。「自分の病気をネットなどで調べ過ぎると不安ばかりが募る」とし、「がん相談支援センター」などの公的機関を活用することを求め、定期的にがん検診を受けるよう勧めた。

 持病で入退院を繰り返しているという佐賀市の藤島京子さん(58)は「『闘病中はとにかく食べられるものを食べよう』という言葉に共感した。これからもモチベーションを落とさず、できることを頑張りたい」と話した。イベントは県健康づくり財団が主催し、約250人が来場した。(伊東貴子)

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