【香港】経済自由度、香港が初めて首位から転落[経済]

カナダのシンクタンク、フレーザー研究所が19日発表した2023年の世界の経済自由度ランキング(21年のデータに基づく)で、1975年のランキング開始以降、初めて香港が首位から転落した。同研究所は中国中央による香港への介入を後退の要因に挙げた。

世界165カ国・地域のトップに躍り出たのは、22年は2位だったシンガポール。香港は2位に後退した。フレーザー研究所は「中国共産党が今後もあらゆる面で自由を抑圧するため、香港の得点はさらに下がっていく」と予測している。香港の総合得点は8.55点で、シンガポールとの差はわずか0.01ポイントだった。

報告書は香港の評価について、中国中央政府が香港に課した新たな参入障壁、外国人の雇用制限、事業コストの上昇が原因で、「規制」の項目の得点が下がったと説明。また、法の支配における『軍事面』の干渉の強まりや、裁判所と司法制度に対する信頼の低下が「法制度と財産権」の項目の得点を押し下げたとした。

香港政府は19日、香港が「国際貿易の自由度」で首位、規制で3位に入ったことを歓迎。「政府の規模」と「通貨の健全性」の得点と順位も前年を上回ったと指摘した。

ただ、香港の規制環境に関する同研究所の報告については「事実と異なる」と反論。香港の法制度に対する評価についても「まったくの事実無根で、客観的証拠がない」と切り捨てた。

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