英国の著名彫刻家ホワイトリードさん、国東市の自作アートを初訪問 地元の工芸家らとも交流【大分県】

自身の作品を見て、関係者と話すレイチェル・ホワイトリードさん=国東市国東町鶴川
国東市国東町鶴川にある「Kunisaki House」。この場所にあった民家をコンクリートでかたどった
地元の工芸家らと交流するレイチェル・ホワイトリードさん(左から2人目)

 【国東】英国の著名な女性彫刻家レイチェル・ホワイトリードさんが16日、自身の作品が設置された国東市国東町鶴川を訪れた。新型コロナウイルスの影響で制作はオンラインで進めたため、初めての現地訪問。「ようやく作品に出合うことができた」と喜び、地元の工芸家らとも交流した。

 ホワイトリードさんは建築物や家具の内部空間をかたどる独創性の高い作風で知られる。英国の現代美術に最も貢献した作家に贈られるターナー賞を女性で初めて受賞した。

 作品は市と県の国東半島カルチャーツーリズム推進事業の一環で造られた。名称は「Kunisaki House(クニサキハウス)」。鶴川商店街周辺観光・交流拠点施設のそばに、昨年4月に完成した。

 空き家だった民家の内部をコンクリートでかたどり、壁面には障子や引き戸を表現している。幅7.5メートル、奥行き4.6メートル、高さ2.6メートル。民家や周囲の写真などを基にホワイトリードさんが創作し、市内の建設業者などが民家があった場所に造った。

 現地で出迎えた松井督治市長が「国東に素晴らしい作品をありがとうございます」とあいさつ。ホワイトリードさんは「英国から一番遠い場所にある私の作品。雨や寒暖差によるひび割れなども作品が生きている証拠。これから先も国東の地で生き続ける」と話した。

 作品周辺の草取りなどをしている住民と触れ合い、制作に協力した人たちに感謝。同施設でイベントをしていた市内の「国見アートの会」とも交流し、メンバーが展示している陶芸やガラス工芸について意見を交わした。

 同事業で市内各所に設置されている他のアート作品も鑑賞。両子寺(安岐町)も訪ねて、仏の里の歴史や文化も学んだ。

© 有限会社大分合同新聞社