茶豆2品種、新たに育成 元山形大客員教授・赤沢さん(鶴岡)

だだちゃ豆の主力品種「白山」を基にした新品種「赤沢2号」と「赤沢3号」を育成した赤沢経也さん=鶴岡市・山形大農学部

 鶴岡市特産の枝豆「だだちゃ豆」の主力品種「白山」を基に選抜した良食味の茶豆2品種を新たに育成したと、元山形大農学部客員教授の赤沢経也(つねや)さん(79)=同市稲生1丁目、植物育種学=が20日発表した。8月上旬から下旬と9月中旬に収穫期を迎える2品種。山形大の全6学部で組織するアグリフードシステム先端研究センター(YAAS(ヤース))が今後、成分分析や加工品の開発を行う。

 同日の山形大農学部記者懇談会で説明した。新品種は「赤沢2号」(収穫期が8月上旬から下旬)と「赤沢3号」(同9月中旬)と名付けた。赤沢さんによると、いずれも白山より甘みが強いといい、2号はさやの緑色が濃く、3号は粒ぞろいが良いなどの特徴がある。特に3号は、9月中旬に収穫期を迎えるだだちゃ豆が少ないことから有望品種という。

 枝豆を含む大豆はほとんどが自家受粉し、別の品種と自然交雑するのは稀(まれ)という。赤沢さんは2000年に白山と、青豆「彼岸青」が自然交雑したとみられる株を見つけた。この株の種子から栽培と選抜を繰り返し、15年には収穫時期が異なる突然変異株を発見。この変異株に着目し、16年以降は甘みや多収などの観点からさらに選抜し、2号と3号を見いだした。

 7月中旬に収穫時期を迎える極わせの「つるおかぼんちゃ(赤沢1号)」(2013年に品種登録)も育成している赤沢さん。今回の2品種は品種登録や商標登録は行わず、種子の無償提供を予定している。赤沢さんは「世に出しても恥ずかしくない2品種ができた。広く栽培してもらいたい」と話している。問い合わせは赤沢さんの電子メールdadachiyamametsuneya@yahoo.co.jp

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