受刑者運動会、初の外部公開 青森刑務所、4年ぶり開催

徒競走で全力疾走する受刑者=20日午前、青森刑務所

 青森刑務所(三浦智博所長)は20日、青森市の同刑務所内で、新型コロナの影響で中止していた「受刑者運動会」を4年ぶりに行った。同刑務所に収容されている336人の受刑者のうち273人が参加し、力いっぱいグラウンドで汗を流した。公開実施は初めて。

 受刑者運動会は毎年開催されており、団結して物事を成し遂げる達成感や競い合うことを通じて、思いやりの気持ちを育むことを目的としている。

 活動を知ってもらうため今回、報道陣に公開。受刑者はこの日に向けて、平日約30分間の運動時間を使い、練習に励んできた。

 開会式では代表の受刑者が「相互協力、協和の精神を遺憾なく発揮し、正々堂々と競技する」と宣誓。12チームに分かれて、赤色や青色などそろいの鉢巻きを頭に巻き、徒競走や綱引きなど、計5種目を行った。グラウンドを走る仲間に「いいぞー!」と声援を送ったり、綱引きで勝利した際には手を上げて喜んだりしながら、生き生きと体を動かした。

 来賓として見守った青森地区更生保護女性会の塩原誓子会長は「リレーでバトンをつないだり、チームのために頑張る姿に熱意を感じた。仲間と協力し合う経験を、今後の生活に生かしてほしい」と話した。

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