<移動編集局・嬉野編>ビーツ×温泉で美肌三昧 嬉野市 スイーツなど新商品発表

ビーツを使った新商品を発表した村上大祐市長(中央)と市商工会の辻本数記副会長(左)、市観光協会の山口剛会長=嬉野市役所

 西九州新幹線開業1周年を前に、嬉野市は20日、肌のコラーゲン生成能力を高める効果があるとされる西洋野菜「ビーツ」を使ったスイーツなどの新商品を発表した。日本三大美肌の湯とされる嬉野温泉に加えてビーツの魅力も発信し、美容や健康に関心が高い女性客に「美肌の町」をアピールする。

 ビーツはウクライナの伝統料理「ボルシチ」に使われる野菜で、真っ赤な見た目と、鉄分・ポリフェノールが豊富に含まれることから「食べる輸血」とも言われている。

 市特産の茶の価格が下落傾向にあることから、茶農家の経営安定のため、嬉野市は3年前から農閑期にビーツなどの西洋野菜栽培を進めてきた。県工業技術センターでビーツの成分を分析し、コラーゲンを生成する能力が確認されたため、「嬉野美2(ビーツ)」として商標登録。新たな特産品にしようと、商工会などと協力して商品を開発した。

 完成した商品は、ビーツの粉末を使ったドリンクやサブレ、水まんじゅう、ソフトクリーム、うどんなど13種類で、どれも鮮やかなピンク色が特徴。開発した菓子店などで販売するほか、市内の旅館でも宿泊客に提供される。

 ビーツと豆乳のドリンクを開発したJR九州の高級旅館「嬉野八十八(やどや)」の小原孝文料理長は「生はボイルしてもえぐみがあるが、粉末を使うことで食べやすくなっている」と太鼓判を押す。市観光協会の山口剛会長も「色がピンクで、女性客にも好評が得られるのでは」と期待を寄せる。

 発表会に合わせ、「美肌三昧の街」を宣言した村上大祐市長は「美肌の湯とともに、ビーツを食べて体の内と外から美肌になってもらいたい」と話した。市は今後、ビーツの生産量拡大にも取り組む。(山口源貴)

 

鮮やかなピンク色の杏仁豆腐。鯉登苑で10月から宿泊客に提供する
真っ赤な見た目が特徴の西洋野菜「ビーツ」

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