長く厳しい残暑の影響 野菜など価格高騰が続く見通し…農作物の成長に深刻な影響(静岡県)

2023年の長く厳しい残暑で、野菜などの成長に深刻な影響が出ていて、値段にも跳ね返ってきています。その影響は暑さが和らぐ11月頃まで続く見通しです。

連日の暑さの影響による野菜の値上がり。青果店を訪れていた飲食店の関係者に話を聞いてみると。

(飲食店従業員)

「野菜高い、びっくりする。あまり高いと原価が上がってしまうので、できれば安く抑えたい」

(飲食店経営者)

「去年よりはかなり上がっている、ものによっては倍ぐらい、青菜は高いので、カイワレなど安価なものに変えてみたり工夫している」

こちらは全国各地の野菜や果物が並ぶ中央卸売市場。2023年の記録的な残暑は、野菜に深刻な影響をもたらしていると担当者は話します。

(静岡VF 原寿克 執行委員)

「通常8月の旧盆を過ぎれば気温が下がってくるが、2023年はかなり高温で作物は寒暖差がある方がよく育つので不作、病気や小玉傾向、玉が大きくならないので出来が悪い」

野菜の収穫量が例年より少なくなったことで、価格にも影響が出ているといいます。特にいま値上がりしている野菜は?

(静岡VF 原寿克 執行委員)

「人参、大根、トマト、ミニトマトがかなり高い」

北海道産のこちらの人参は、不作による品薄状態で、2022年と比べ2割ほど値上がりしているといいます。

(静岡VF 原寿克 執行委員)

「いつもはここがいっぱいになるが、やっぱり少ないということで、小さなMサイズやSサイズが多い」

人参は例年、10月下旬から11月上旬にかけて、北海道産から関東産のものに切り替わるといいますが、2023年は関東産も生育が悪く、入荷が遅れる見通しで、価格が安定するのは、11月中頃から下旬ごろになるとみられています。

さらに、2023年のミニトマトは量が少なく、実も小さいものが多いということで、出荷量は2022年の6割にとどまっています。秋から冬にかけて出荷される静岡産のミニトマトも生育が悪く、入荷が遅れる見込みだということです。

一方、北海道産のじゃがいもや玉ねぎは、入荷量が例年並みのため、価格も安定しているということです。

来週には暑さはやわらぎ、秋を感じられる見込みですが、私たちの生活への影響は、もうしばらく続きそうです。

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