最優秀に馬場さん、ケリムバエワさん 「核なき未来」オピニオン 長大レクナが入賞4作品発表

最優秀賞を受賞した「U―30」部門のケリムバエワさん(左)、「U―20」部門の馬場さん=長崎大核兵器廃絶研究センター

 長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)は23日、平和な国際社会の実現に貢献できる人材の育成を目的に、小論文やエッセーを募集した「核なき未来」オピニオンの入賞作品4点を発表。最優秀賞は、「U-20」部門(16~19歳)が聖和女子学院高2年の馬場みなこさん(17)=長崎県佐世保市=、「U-30」部門(20~29歳)が長崎大大学院医歯薬学総合研究科修士課程2年のアディヤ・ケリムバエワさん(27)=長崎市=に決まった。
 同センター設立10周年記念事業として昨年から実施。長崎新聞社が協力。今年のサブテーマは「核兵器は地球を守れるか?」。U-20、U-30の2部門を新設し、国内外から計122点の応募があった。
 U-20部門の馬場さんは、米国留学で銃社会を経験したことを踏まえ「核抑止力」の問題点を指摘。優秀賞の早稲田大2年、海野遥香さん(20)=東京都=は、昨年、長崎原爆資料館を訪れて変わった核兵器に対する考えをつづった。
 U-30部門のケリムバエワさんは、旧ソ連のカザフスタンにあった核実験場近くで育ち、核兵器の使用がもたらす影響を論じた。優秀賞のアドリアーナ・ナザルコさん(25)=大阪府=はウクライナ出身。ロシアの侵攻からみた核抑止や核軍縮の課題を考察した。
 同日、長崎大で授賞式があり、審査委員長で作家の青来有一さんが賞状と盾を手渡した。馬場さんは「これまで以上に核廃絶や平和推進の勉強を深めたい」、ケリムバエワさんは「核なき世界は夢ではなく達成できる現実的な目標」と語った。
 受賞作品と最終選考に残った作品の一部はレクナホームページで公開している。

© 株式会社長崎新聞社