「何回でも見たい」 宇都宮で島守の塔上映会 荒井退造の誕生日記念し出身地で

映画の看板を撮影しながら会場に入る招待者=23日午前、宇都宮市竹下町

 太平洋戦争末期の沖縄県警察部長で、多くの県民救済に尽力した宇都宮市上籠谷(かみこもりや)町出身の荒井退造(あらいたいぞう)らを描いた映画「島守の塔」の特別上映会(下野新聞社主催)が23日、同市竹下町の作新学院大作新清原ホールで開かれた。22日の退造の誕生日を記念し、出身地の清原地区で初めて上映された。

 上映会は、地域の人たちや学校、自治体などに映画を鑑賞する機会を提供し、命の尊さ、平和の大切さを広めることが目的。

 この日は上籠谷町高田地区の住民や同大の学生、県内の学校関係者など約90人が招待された。荒井家の現当主荒井拓男(あらいたくお)さん(74)も駆け付け、地元の人たちと鑑賞。「退造は地元の誇り。多くの人に映画を見てもらい、自己を犠牲にして沖縄県民を救った精神を見習ってほしい」と話した。

 同市清原台1丁目、阿久津(あくつ)ミヤさん(83)は上映後、「(鑑賞は)2回目ですが、戦争を思い出して、最初から泣けてしまいました。お兄さんはよく知っていましたが、退造さんは映画で初めて知りました。また何回でも見たいです」と感想を語った。

 下野新聞社は上映会を実施する団体を募集している。(問)同社コンテンツ推進部028.625.1145(平日午前10時〜午後5時)。

会場に入る招待者=23日午前、宇都宮市竹下町
招待者に紹介される荒井拓男さん=23日午前、宇都宮市竹下町

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