住宅街にランチお届け 野々市に日替わりキッチンカー

社会実験として住宅街の平日に出店を始めたキッチンカー=野々市市白山町

  ●商工会が平日の需要調査

 野々市市商工会の会員事業者が飲食店の少ない住宅街の平日ランチにキッチンカーを利用してもらおうという取り組みを始めた。カレーやオムライスを扱う店が、11月まで日替わりで出店して需要を調査し、利用があれば本格運用につなげる。キッチンカーは休日のイベントが中心だが、地域住民の交流の場として活用を呼び掛けるとともに、平日の売り上げ確保も後押しする。

 商工会では約20人で団体「野々市フードビジネスプロジェクト」を結成。店舗も持つ12業者を中心に、11月17日まで住宅街にある商工会の駐車場にキッチンカーを出し、平日午前11時~午後2時を営業時間として1業者ずつランチを用意する。

 メニューは照り焼きチキンバーガー、スパイスカレー、オムライス、天津飯などで、21日の初日は唐揚げ丼が20食、2日目はたこ焼き50食が完売する順調な滑り出しとなった。

 近くの税理士事務所に勤務する米澤晃さん(34)は「普段の昼は車で食べに出ている。ここなら歩いて来られて便利で、毎日利用したい」と話した。

 今回の需要調査後は、出店場所を変えて利用動向を探る計画で、現在、町内会などと交渉を進めている。メニューを広げるため、キッチンカーを持たない飲食店にも出店を打診する予定だという。

 プロジェクトでは、日中在宅している高齢者らの中に、手軽なテークアウトの料理を求めるニーズが見込まれることから、そうした高齢者を支援する仕組み作りも検討する。

 プロジェクトリーダーの永井祐城さん(50)は「新型コロナの感染拡大を機にキッチンカーの需要は増えた。住宅街での需要を掘り起こし、新たなサービスにつなげたい」と意気込んでいる。

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