基本計画見直しへ 高岡テクノドーム別館

  ●展示棟工事の入札不調受け 県議会予算特別委

 富山県の新田八朗知事は25日、県が高岡市に整備する高岡テクノドーム別館について、基本計画の見直しも含めて検討する考えを示した。別館は2024年度の開館を目指して実施設計が進められたが、5月に展示棟の建築工事の入札が不調に終わり、新田知事が6月に立ち止まって再度検討する方針を示していた。事業費の上振れもあり、規模や機能が大幅に縮小される可能性もある。

 県議会予算特別委員会で、菅沢裕明氏(立憲民主)の質問に答えた。

 別館を巡っては、建設工事費が資材価格高騰の影響で当初想定の26億5千万円から46億3千万円に上振れする見通しとなっている。新田知事は、建設費が高止まりしているとし「無限に予算を増やすことはできない。何に重きを置いて、何を残すか意見を聞かないといけない」と強調した。

 菅沢氏は県の姿勢について「思考停止になっている」と批判。別館で想定されている最大1200席の可動式客席や第5世代(5G)移動通信システムなどの導入に、本館の増改築や規模の縮小で対応が可能とした。昨年度の利用件数が54件、日数は183日にとどまっているとも指摘した。

  ●「高岡市などから意見聞きたい」

 新田知事は「別館ありきで(石井前県政から)引き継いだ」と述べ、本館の増改築について、高岡市などから意見を聞くことに意欲を示した。高岡市で新たな市民会館の整備などが課題となっていることに触れ「県の施設と無駄がないようにかみ合わせていくことが重要だ」と述べた。

 高岡テクノドーム別館は入札が不調に終わった理由として、展示棟の屋根を加工する難易度が高く、施工面で課題があることが挙がっている。開館が目標の2025年3月からずれ込むことが確実視されている。

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