岩手の温室効果ガス、2013年度比で30%減 2020年度試算

 

 岩手県は、2020年度の温室効果ガス排出量が1006万3千トンと13年度比で30.3%削減されたとする試算をまとめた。省エネ設備の導入などが進み削減量は増加しているが、30年度目標の「13年度比57%削減」の達成は容易ではない。電動車の普及率などは全国平均よりも低く、取り組みの加速化が欠かせない。

 20年度の温室効果ガスの実排出量は1227万4千トンで13年度比15.0%減。森林吸収や再生可能エネルギー導入による削減効果も加味して試算した。全体の排出量は19年度から100万9千トン減り、新型コロナウイルス禍による社会・経済活動の停滞も影響しているとみられる。

 県は30年度目標を国が掲げる「46%削減」よりも高く設定した。県環境生活企画室の高橋政喜グリーン社会推進課長は「消費者意識は着実に変わってきたが、現状のペースでは目標達成が容易ではない。事業者が脱炭素化のメリットを感じられるようにするなど、より一層取り組みを加速させなければならない」とする。

© 株式会社岩手日報社