クラブチームにスポンサーは重要な存在。ユニフォームに付けるロゴマークなどにファンはその存在を感じる。
しかし、時にはユニフォームの域を超えてエンブレムにまでその存在が及ぶことも。そしてそれは意外と知られていない事も多い。
ここでは、そんなエンブレムの中から代表的な5つをご紹介しよう。なお、あまりにも有名すぎるRed Bull(レッドブル)系に関しては、今回は対象外とした。
レヴァークーゼン
レヴァークーゼン 2023-24 Castore ホーム ユニフォーム
熱心なサッカーファンやブンデスリーガファンにはよく知られているが、チーム名「Bayer 04 Leverkusen」の“Bayer”は企業名。1904年に製薬・化学企業バイエル社の従業員によって結成されたチームで、エンブレムのBAYER十字は企業ロゴそのものだ。
同社は現在もチームのスポンサー。なお、ブンデスリーガではチーム名に企業名を入れることは原則禁止だが、レヴァークーゼンに関してはリーグ発足以前からのチーム名ということもあり特例の形で認められている。
シュトルム・グラーツ
シュトルム・グラーツ 2012-13 Jako アウェイ ユニフォーム
かつてイヴィチャ・オシム氏が指揮を執り旋風を起こしたオーストリアのシュトルム・グラーツ。2007年から2013年までのエンブレムには、スポンサー企業「Puntigamer(プンティガーマー)」のロゴが入っていた。
同社はオーストリアの大手ビール会社で、1996年から現在までスポンサーを継続中。実はクラブの正式名称は『SKプンティガーマー・シュトゥルム・グラーツ』で、スポンサー企業名入りなのだ。
シュトルムでは1960年代から企業名をチーム名に付け加えており、そのため時代によってチームの正式名称が異なる。
PSV
PSV 2023-24 Puma Philips 110周年記念 ユニフォーム
一昔前は「ピーエスブイ アイントホーフェン」と呼ばれていたオランダの名門PSV(ペー・エス・フェー)。この3文字にスポンサー企業名が隠れていることをご存知ない人が意外と多い。
チームの正式名称は「Philips Sport Vereniging」で、“Philips(フィリップス)”はオランダの世界的電機メーカー。「P」は企業名の頭文字だ。クラブはフィリップス社の企業チームとしての出発が原点で、同社は現在もスポンサーとしてクラブと関わりを持ち続けている。
フィリップス社の現在のコーポレートカラーはライトブルーだが、チーム発足当時はブラック。エンブレム内のPSVがブラックなのは、そのためかもしれない。
ジェフユナイテッド千葉
ジェフユナイテッド市原・千葉 2023 hummel ホーム ユニフォーム
Jリーグにもスポンサー企業名が見え隠れするエンブレムがある。ジェフ千葉のそれは海外のマニアックなユニフォームファンの間でも有名だ。
ジェフの“JEF”は、“JE”がJR EAST(JR東日本)。“F”は古河電気工業の頭文字(チームの前身は同社のサッカー部)。どちらもクラブのスポンサーであり、現在のチーム誕生に大きく関わっている。
エンブレムの色は「千葉県花である菜の花のイエロー」「古河電工の製品に使われる銅のレッド」「JR東日本に広がる大地のグリーン」と、それぞれ意味がある。が、グリーンに関しては色味が異なるとはいえJR東日本のコーポレートカラーでもあり、海外ユニファンにも鉄道会社の色と認識されている。
クルス・アスル
クルス・アスル 2023 Prima アウェイ ユニフォーム
メキシコというよりも北中米の強豪クルス・アスル。このチームはエンブレムどころかチーム名そのものが企業名だ。
チームはメキシコのセメント会社「Cemento Cruz Azul(セメント・クルス・アスル)」の企業チームが原点。当初は野球チーム創設する計画だったようだがサッカーチームに変更され、1927年に誕生している。
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エンブレムデザインは完全に企業ロゴそのもので、ユニフォームの胸スポンサーも「Cemento Cruz Azul」一筋。同社の製品を見れるとチームグッズかと勘違いしそうになるほど全く違和感がなくて面白い。
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