旧盛岡短大跡地に福祉と相談の拠点開所へ 岩手県が方針

 

 盛岡市住吉町の旧県立盛岡短大跡地の活用策が大枠で固まった。岩手県は老朽化する福祉総合相談センターと県民生活センターを移転集約し、2027年度に開所する方針で、児童や障害者、消費者のトラブルなどにワンストップで対応する福祉・相談拠点となる。1998年に短大が滝沢市に移転してから25年を経て、宙に浮いていた中心部の方向性がようやく定まった。

 県によると、跡地の半分程度に当たる約7千平方メートルに、延べ床面積約5千平方メートルの建物を新築する。24年度に基本設計に着手し、具体化を図る。事業費は30億円程度と想定し、国の交付金や地方債の活用を見込む。

 福祉総合相談センター(盛岡市本町通)は児童相談所、精神保健福祉センターなど児童、女性、障害者らに対応する総合相談機関となる。虐待を含む児童相談件数は22年度が2076件で、13年度比1.9倍に増加。築50年が経過し、業務増に対して室内の狭さが課題となっていた。

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