「もう一回、人が集まるように」犬と一緒に買い物楽しんで!人出減の商店街で「犬町プロジェクト」

静岡市清水区の商店街では、街の活気を取り戻そうと、あるプロジェクトが動いています。

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その名も「犬町(いぬまち)プロジェクト」。商店街ならではの強みを活かし、「ペットの街」を目指す取り組みです。

<店員と客>
「こんにちは」「このナッツを頂いてもいいですか?」

JR清水駅前にある清水駅前銀座商店街。食べ物を扱っている店舗の前で、犬を連れた人に店員が接客していました。

<客>
「犬が食べられるのはこれでしたよね、低糖質」

<店員>
「プレーンとバナナがわんちゃん向けです」

この商店街を舞台に地元の有志が始めたのは、犬を連れたまま買い物が楽しめる「犬町プロジェクト」。プロジェクトに賛同している店には、犬を連れたまま買い物が楽しめる印として、ステッカーが貼られています。

<犬町プロジェクト代表 下大澤志保さん>
「もう一回、人が集まるような何かができないかなと思って考えている中で、アーケードがあるじゃん。犬がよく散歩しているよねということに気づいて、犬をテーマに何かできないかなと思ったのが始まりです」

清水駅前銀座商店街は人通りがまばらで、閉店している店も少なくありません。天候に左右されない商店街の「アーケード」を強みとし、駅前銀座商店街を「犬の町」として盛り上げようという狙いですが、いま、ある課題が浮き彫りとなっています。

<清水駅前銀座商店街 松岡夏樹理事長>
「商店街の中でお散歩をしていただくことは、やぶさかでないんですけど、ふん尿の処理に課題がある。アーケードなので店の前でされてしまうと、いくら取ったり水を流したりしてもお店の前に流れてきてしまう」

犬の排泄物によって柱がさび、劣化の原因になっているほか、店の人の清掃作業が必要になっているといいます。このため、下大澤さんは犬のマナー問題を解決しようと地元の専門学校とタッグを組みました。

学生にデザインを考えてもらい、柱にペイントをしたり、巨大な看板を設置したりする取り組みです。

<学生>
「さまざまな人が協力していることを強調したかったので、手に一人一人違う特徴を入れてみました」

9月26日は放課後、プロジェクトに参加した学生30人が集まり、それぞれのチームが考えたデザインが発表されました。地域の課題解決と活性化を目指そうと産学が連携し、共に盛り上げる「共盛(きょうせい)」がテーマです。

<中央動物総合専門学校2年 長曽我部栞香さん>
「商店街が活性化するように明るく楽しいポップな感じのデザインになればいいなと思います」

今後はデザインをブラッシュアップし、12月に看板の設置と柱へのペイントが行われる予定です。

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