伝統の立花 後世に継承 浄土真宗東本願寺派・清和会と坊守会 砺波で初の講習会

伝統的な立花の技法を説明する三谷住職=砺波市宮丸の西方寺

  ●西方寺住職が実演、解説

 伝統の立花(りっか)を後世に伝えようと、浄土真宗東本願寺派高岡教区の若手僧侶らでつくる清和会と坊守会が27日、砺波市宮丸の浄土真宗東本願寺派西方寺で初の講習会を開いた。寺関係者24人が草木の調和が織りなす自然美や摂理を伝える立花の技法を学び、次代に絶やさず受け継いでいく意識を高めた。

 立花は蓮如上人の頃の室町時代に現在の様式になったとされる仏花。多種多様な草木を花瓶(かひん)に生け込み、自然の景観美を伝えるとともに、この世の森羅万象を表現しているといわれる。

 清和会によると、立花の生け込みは特殊な技術が必要とされ、教区の各寺では報恩講などの際に、特定の担い手に委託するケースが多かった。

 しかし、担い手が亡くなったり、高齢化で生け込みができなくなったりして、造花に切り替えて対応する寺が増えてきており、この状況を見かねた清和会が講習会の開催を坊守会に持ち掛けた。

 講習会には高岡、射水、砺波、南砺、小矢部各市の寺関係者が集まった。清和会長の三谷雅章西方寺住職が講師を務め、菊やハランの一種生けや、松をつなげて役枝を構成する幹造りなどを実演した。

 三谷住職は、浄土真宗東本願寺派の立花が池坊を基礎としながら仏花として独自の発展を遂げてきた歴史をひもとき、本堂で生ける立花は床の間と異なり、重厚感でぎっしり感が必要と説いた。生け込む時に花を左右対称に生けず、仕上がりの高さは平常時は花瓶の高さの4倍、法要では6~7倍が目安で、花瓶の口に枝や葉、花などが触れないように水際を意識する大切さを伝えた。

 参加者はこの後、角材とペットボトルによる手製の道具を「請(うけ)」にして長さ1.2メートルのヒバを「真(しん)」に、大菊やハラン、グラジオラス、モンステラの葉を実際に生け込んだ。

 講習会の様子は動画で収録した。DVDとして参加者に渡す予定にしており、清和会の三谷会長は「伝統の立花を実践を通じて継承していきたい」と話した。

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