長崎・諫早出身 直木賞作家の垣根涼介さん 受賞後初の凱旋、知事に報告 

直木賞受賞を大石知事に報告する垣根さん=県庁

 7月に第169回直木賞に輝いた長崎県諫早市出身の作家、垣根涼介さんが29日、県庁の大石賢吾知事を訪問し、受賞を報告した。
 受賞した「極楽征夷大将軍」(文芸春秋)は室町幕府の祖、足利尊氏の半生を描いた歴史群像劇。垣根さんはこれまでに「室町無頼」(2016年)、「信長の原理」(18年)でも同賞の候補になっていた。
 垣根さんは「一見偉くても、よくよく調べると『こいつはろくでもないな』という人間が好き。そんな人間のパターンとして、資料を読んでいるうちに足利尊氏という人間を見つけた」と執筆のきっかけを明かした。「ちょっと変な人は型がない。そういう人の方が書きがいがある」とも語った。
 大石知事は、本県ゆかりの人物を題材にした作品の執筆に期待を寄せながら「一ファンとして、新しい作品をまた読みたい」と話した。
 垣根さんは直木賞受賞後初めて本県に戻り、同日はメトロ書店長崎本店(長崎市尾上町)でサイン会に出席した。

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